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このページは最新版ファームウェアであるv4.3に関する記述です。

ユーザー・マニュアル

コンテンツ:

インストール

まずはDistingをあなたのユーラック・ケースに収めましょう。電源コネクターはドエプファー・スタンダードです。電源コネクターを接続する際はPCB下部の-12V供給先にリボンケーブルの赤線を合わせます。(コネクター部隣のPCBに-12Vと記載されています。)電源を供給する前に必ずケーブルが正しく接続されているかどうか確認してください。しつこいようですが赤線が-12Vを供給します。

入出力及びコントロール

disting mk4
Distingパネル上から下へ
  • 回転式エンコーダー/ボタン’S’
  • ドット・マトリクス・ディスプレイ
  • マイクロSDカード用スロット
  • ’Z’CV入力に連なるコントロールとなるノブ、各アルゴリズムそれぞれ特有のパラメータをコントロールします。このノブもまたボタンとして動作します。
  • 入力ソケットx3
    • 上部ソケットは’Z’CV入力です。Zノブと同様のコントロールです。Zノブと入力は併用できます。
    • 他の二つの入力は’X’と’Y’入力です。これらは各アルゴリズム毎に異なる働きをします。
  • ’A’及び’B’出力ソケットです。
各ソケットはそれぞれの入出力電圧を反映した明度/色でLED表示されます。(‘Z’に関してはノブで設定された値と入力の組み合わせが表示されます。)赤が+正極性電圧を、青が-負極性電圧を表しています。

マイクロSDカード用スロット

ディスプレイ左側がマイクロSDカード用スロットです。

端子面がディスプレイ側、角が斜めに落とされている側が上を向くように差し込んでください。

差し込みスロットは”プッシュ/プッシュ”式です。カードを抜く際も軽くカードを押すことで自然に引き出されます。

ファームウェア・アップデート

Distingのファームウェア・アップデートに関して詳しくはこちらのページを参照し、お持ちのDistingに最新版ファームウェアがインストールされているかどうか御確認ください。

スタートアップ

モジュールは電源起動時に幾つかのパターンをディスプレイに表示します。表示シーケンスは以下の様に動きます。

  • 1列(縦)配置のLEDが全7列分左から右へ移動します。
  • 1行(横)配置のLEDが全7行分下から上へ移動します。

その後現在インストールされているブートローダー・ヴァージョン(例えば”b1”等)とファームウェア・ヴァージョン(例えばv4.0等)が表示されます。

もし”Uncalibrated”のメッセージが表示された場合、その後LEDの明滅し、キャリブレーション・データが破損または不明であることを表します。デフォルトのキャリブレーションを使用するか、より正確に行うにはこちらからモジュールの再キャリブレーションを行ってください。

エンコーダー及びメニュー・システム

’S’エンコーダーを押すことでDistingのメニュー・システムに入ります。メニュー・システム起動中ディスプレイは点滅表示されます。

メニューは4項目から選択するいたってシンプルなものです。通常、メニュー・システムは以下の様に働きます。

  • Sエンコーダーを押してメニュー・モードに切り替えます。
  • エンコーダーを回して変更したいメニュー項目を選択し、エンコーダーを押します。
  • 変更可能な設定は各メニューによって異なります。

‘Z’を押すことでいつでもメニュー・モードをキャンセル及び終了させます。

各メニュー項目は以下になります。

  1. Algorithm - アルゴリズムを選択します。
  2. Help - ヘルプ・メニューにアクセスします。
  3. Settings - 複数のグローバル設定変更を行います。
  4. Calibrate - キャリブレーション を開始します。
    • メニュー選択を間違えた場合はいつでもZノブを押すことでキャンセル可能です。

アルゴリズム選択

エンコーダーを回しながらA1からP8までのアルゴリズムを選択していきます。(時計回りにA1,A2,...A8の後にB1,B2と続きます。)

Sノブを押しながら回すことで各アルゴリズム間を寄り早く切り替えることも可能です。

メニュー項目の1番目が”Algorithm”であるので、Zノブを2回おすと覚えておくと楽でしょう。(メニュー・モードに切り替え、”Algorithm”を選択。) その後エンコーダーを回して任意のアルゴリズムを選択し、再度エンコーダーを押すことでアルゴリズムを切り替えます。

各アルゴリズムの機能に関してはアルゴリズム詳細ページを参照ください。

グローバル設定

Distingにはフラッシュメモリに記憶されている複数のグローバル設定があり、それらはメニュー項目4番目の”Settings”から変更することが可能です。エンコーダーを回してSettingに合わせて押すことで設定変更おこなうモードへ切り替わります。

変更可能なグローバル設定は以下の三項目です。

  1. Brightness - ディスプレイの明度を設定します。
  2. Auto-store - 自動保存機能の有無を切り替えます。(詳しくは後述)
  3. Recall enable - セレクト・バスからのセーブ/ロードの有無を切り替えます。(詳しくは後述)

設定変更したい項目を選択したらエンコーダーを押します。この時現在選択中の設定状況が表示されます。エンコーダーを回して任意の設定を選択します。そのままエンコーダーを押せば設定は変更され、LEDの点滅で設定変更の保存が表示されます。またはZを押すことで設定を変更せずにメニューから退出します。

自動保存

‘Auto-store’を有効にした場合、各パラメータの変更はその都度自動的に保存されます。このモードのDistingは常に現在の設定状態を電源再起動後も維持します。しかしながらこのモード中はあらゆる設定変更が即座にメモリーされることで稼働中のアルゴリズムの出力にグリッチを発生させることがあります。自動保存が無効の際、各パラメーターの変化は即座に保存されません。よって各アルゴリズムの機能は滑らかに動作するでしょう。無効にすることで主にライヴ・パフォーマンスにおけるVCOアルゴリズムのオクターヴ選択やクオンタイザーにおけるキー選択などがスムーズにおこなえるでしょう。

自動保存無効時でも設定したパラメータ値はアルゴリズムを変更させても保持されます。この働きを利用して他のアルゴリズムに切り替えた後、即座に元のアルゴリズムに戻すことでパラメータを手動で直前のパラメータに戻すことができます。

ヘルプ

メニュー項目の’Help’を選択すると各アルゴリズムの詳細情報が英語テキストでディスプレイに表示されます。ヘルプのテキストはマイクロSDカードからロードされます。(カードが差し込まれていない場合は”No card”と表示されます。)ヘルプから退出するにはZを押します。

ヘルプ用テキストはカード内にあるプレーンテキスト・ファイルです。よって自由に編集が可能となっています。(例えば自分にとってわかり易い情報を書き込んでも良いですし、英語以外に翻訳しても良いでしょう。)

デフォルトのヘルプ用テキストファイルはこちらからダウンロードできます。解凍後にお使いのマイクロSDカードにコピーしてください。ファイル構成は以下の様に並ぶはずです。

‘help’フォルダはカード内のルートレベルに位置します。フォルダ内は’hXXX.txt’といった各アルゴリズム毎のテキストファイルが並びます。XXXはアルゴリズム・ナンバーです。アルゴリズムA1に対応する0から始まります。

パラメータ

各アルゴリズムには各コントロール入力とZノブとは別に最大4種類の設定変更可能なパラメータが存在します。

XやY入力と同様の高サンプルレートによるZコントロール入力とは異なり、これらのパラメータはおおまかで各アルゴリズムをリアルタイムに調整するようなものではありません。出力にグリッチが表れることもあるでしょう。(ある種のパラメータはグローバル設定で自動保存を無効にすることでグリッチを防ぐことができます。)

選択したこれらのパラメータはSノブによって調整可能です。パラメータ変化後はその値が数秒間ディスプレイに表示されます。

選択中のアルゴリズムに1種類以上のパラメータがある際はZノブを押すことで設定パラメータ先を変更します。この時選択した設定パラメータはディスプレイにナンバーと名称が表示されます。

ノブ・レコーダー

Zノブを押す機能を使用しない多くのアルゴリズムでは、Zノブを押すことで’ノブ・レコーダー’機能を使用することができます。

この機能はZノブを押している間に回して生じるZ値の連続的な変化を記憶します。Zノブを離すと即座に記憶された動作を繰り返し再生します。再生を終了するにはZノブを押さずに少し回すことで通常の手動コントロールに戻ります。

ノブの動きを記憶できる時間は最大14秒までです。

タップ・テンポ

ある種のアルゴリズム(クロッカブルLFOやクロッカブル・ディレイ/エコー)ではZノブを押すことで’タップ・テンポ’機能を使用できます。タップ・テンポ機能はクロック入力にパルスを送ることと同様の働きです。Zが2度押された間隔でディレイタイムやLFO周期が決定されます。

もし選択中のアルゴリズムがクロック周期を分割している時、Zノブを2度押した間隔の分割数は出力されません。この時はアルゴリズムで設定された数に応じたクリック数で働きます。例えばクロッカブルLFOが1/4(4の分数)に設定されている時はZを5回押して初めてLFO周期が変更されます。

電源再起動に保持される情報

Distingをインストールしているシステムの電源が再起動された際、本機は以下の情報を保持します。

  • 現在選択中のアルゴリズム
  • 現在選択中のアルゴリズムのパラメータ設定(自動保存有効時)
  • Zコントロール(Zノブの位置によって決定されているので当然ですが)

稼働中にアルゴリズムを変更しても設定されたパラメータは維持されますが、電源再起動後に維持されるのは現在選択中のアルゴリズムのみです。

お気に入り

マイクロSDカード内のテキスト・ファイルを通じて最大16種類のお気に入りアルゴリズムリストを作成することができます。

お気に入りリストはアルゴリズムO1~P8としてアクセスできます。スロットが空の際はアルゴリズムA1のプレシジョン・アッダーが自動的に選択されます。

お気に入りリストはSDカードから読み込まれます。SDカードが正しく差し込まれていればDistingのフラッシュメモリが補完し、カードが抜かれるまで維持されます。

お気に入りリストはSDカード内のルートに位置した’favorites.txt’と題されたシンプルなテキストファイルです。コンテンツ内容は以下の様になる筈です。

disting favourites v2
B8 VCO
a1
C5 resonator
I4 SD z speed
b5 LFO
e6 dual AR w/ push

一行目は必ず”disting favorites v2”と書かれている必要があります。続いてお気に入りのアルゴリズムが並びます。16種類以上のアルゴリズムが書き込まれている場合は16種類目以降は無視されます。

各アルゴリズムは2文字で明記されます。(アルファベット+英数字)それ以降のテキストは無視されますが、機能概要を書き込んでおくことでわかりやすく表示されるでしょう。

セレクト・バス

グローバル設定メニューでRecallを有効にしている場合、Disting mk4はセレクト・バスからのセーブ/ロードのメッセージを受けとるようになります。

セレクト・バスとはパッチング無しにシステム内部のバスで情報を交換するシステムで、対応するモジュールがユーロラック各社からいくつか発売されています。例えばMalekko Varigate 8+, Macro Machines Storage StripMake Noise Tempiなどがそれらにあたります。

Distingはあくまでセーブ/ロードのメッセージのみを受診します。それ以外のメッセージは認識されません。

MIDI入出力

MIDI入出力機能はこちらを参照ください。

フォント

Disting MK4のマトリクス・ディスプレイに表示されるフォントはロビー・ポインターによる’Tom Thumb’を改変したものです。フォントについてはこちらを参照ください。

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